懸樋かけひ)” の例文
ちょうど、七刻ななつ下がりの刻限なので、そろそろ旅の者の影も絶え、次郎が去った後は、懸樋かけひの水の音がチロチロとせせらぐのみで、暫く茶店は閑散のていに見うけられる。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
池のに落ちつつとほる水の音懸樋かけひは冬のものにぞありける
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
春の山懸樋かけひの水のとまりしを昨夜よべの狐とにくみたまひぬ
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「水なら懸樋かけひから流れているだろう、いくらでも飲むがいいよ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山かげの懸樋かけひへり紐氷柱ひもつらら本末もとすゑほそうなりにけるかも
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
山かげの懸樋かけひへり紐氷柱ひもつらら本末もとすゑほそうなりにけるかも
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)