懶怠なまけ)” の例文
懶怠なまけた身の起伏おきふしに何といふこともなく眺めやる昼の男の心持、また逃げてゆく「時」のうしろでをも恍惚うつとりと空に凝視みつむる心持……
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
勉強家べんきようかける、懶怠なまけられてはこまるけれど、わづらはぬやうにこゝろがけておれ、けておまへは一つぶものおやなし、兄弟きようだいなしとふではいか
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
物を角に見るキユビストの新らしい神経の触覚よりもかういふ日のうとましい懶怠なまけものの心にはあのルノワアルなどのふくよかな色の温味と悩ましい息づかひの魅力
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)