慈顔じがん)” の例文
離れても別状がないと落つきの根城をえて、咫尺しせき慈顔じがん髣髴ほうふつするは、離れたる親を、記憶の紙にあぶり出すのみか、える日を春に待てとのうらにもなる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と、そこへいついてきたのは、あの慈顔じがんみをうかべた地蔵行者じぞうぎょうじゃ菊村宮内きくむらくない
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)