悪獣あくじゅう)” の例文
旧字:惡獸
土地の羊飼達ひつじかいたちはもちろん、よそからもおおかみ狩りを自慢じまんの連中が続々とやってきて、この悪獣あくじゅう退治たいじしようとしたのであったが、いずれも失敗して引きあげる。
夢現ゆめうつつ貴女あなたには、悪獣あくじゅうたいに見えましたでありましょう。私の心はけだものでした。夫人おくさん懺悔ざんげをします。廉平が白状するです。貴女に恥辱を被らしたものは、四脚よつあしの獣ではない、獣のような人間じゃ。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)