恥曝はじさら)” の例文
井戸端の水甕みずがめに冷やしてあるラムネを取りに行って宵闇の板流しに足をすべらし泥溝どぶに片脚を踏込んだという恥曝はじさらしの記憶がある。
海水浴 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
例により僕は自分の恥曝はじさらしの経験を述べて参考に供したい。僕は少年のころ、物に怖気おじけない、大胆不敵、あまりに無遠慮であった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「お嬢さんの手紙と思い込まなきゃ、二本差の立派な若侍が、犬潜りから這い込むような、恥曝はじさらしなことはしなかったでしょう」
頓間とんま。間抜け。トンチキ。これあ潜水艇じゃねえやい……何という恥曝はじさらしだ。これあ……」
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「でも、麗々しく書き立てゝあるじゃございませんか? 好い恥曝はじさらしですわ」
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
有るのは、旧藩の江戸づめ知辺しるべだが、故郷元くにもとを追われたおれ達夫婦の事情を知っている奴等が、一両の合力ごうりきもしてくれる筈はなし——又そんな所へ恥曝はじさらしをして迄、出世に偓促あくせくしたくもない。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まあ、なんと云う恥曝はじさらしな事でしょう。835
話の順序として自己の恥曝はじさらしから始めたい。僕が十三、四のころであった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
恥曝はじさらしだ。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)