思召ぼしめ)” の例文
宿命を、意志でもって左右できると、わしはこれまで信じていたが、やっぱり、どこかに神のお思召ぼしめしというものもあるらしい。ポローニヤス。
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)
広海さん、こんな狭くるしい処へお呼ばれなすったのはお初めてでしょうからさぞ御究屈ごきゅうくつにお思召ぼしめしましょう。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
大「えへゝゝ、不束ふつゝかの大藏格別かみのお思召ぼしめしをもちまして、重きお役を仰付けられ、冥加至極の儀で、此の上とも何卒どうぞ御家老のお引立をこうむりたく存じます」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
もし久濶きゅうかつじょしたいお思召ぼしめしがあるなら、早速さっそくひきわせしようと思いますが、如何でしょうか。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そこで、お思召ぼしめしのお連れはどなた、と軽く応答をしてみたのですが
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
お部屋でやかましいから堪忍して下さいよ、本当ほんとにそれを言われるといかにも不実でもするようで済まないが、こんなものでも女房にしてやろうというお思召ぼしめしがあるんだからねえ
岩「貴方はそうお思召ぼしめすからいけません」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)