快方いいほう)” の例文
余計に悪くなってたまるもんか、このせつ心持こころもち快方いいほうだっていうけれど、え、魚気さかなっけを食わねえじゃあ、身体からだが弱るっていうのに、父爺はね、なまぐさいものにゃはしもつけねえで
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「でも、大分快方いいほうになりましたよ。だんだん暖かくはなるし、とにかく若い者ですからな」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
いつまで入院をしていても、ちっとも快方いいほうに向わないから、一旦いったん内へ引取って、静かに保養をしようという事になった時、貴婦人の母親は、涙でお綾の親達に頼んだんです。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「は、快方いいほうですの。——それよりも伯母様はどうなすッたの。たいへんに顔色おいろが悪いわ」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
「病気は快方いいほうに向いてるです」武男は口早に言いて、きっと母親の顔を仰ぎたり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)