忠義者ちゅうぎもの)” の例文
やがて、おきさきさまがこちらへくるのを見ますと、王さまは忠義者ちゅうぎもののヨハネスとふたりの子どもを大きな戸だなのなかにかくしました。
いずれも父の小角しょうかくにつかえていた野武士でござりますが、きょうまで、わたくしとともにこの裾野へかくれ、折があれば呂宋兵衛るそんべえをうってあだをむくいようとしていた忠義者ちゅうぎものでござります。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ふふふ、まつろうは、かけにらねえ忠義者ちゅうぎものでげすぜ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「でもあたしは、あの忠義者ちゅうぎもののヨハネスが、あたしたちのためにこんなふしあわせになったことばかり、ずっと考えておりましたの。」
ところがわかい王さまは、このとびらのところだけは、忠義者ちゅうぎもののヨハネスがいつもすどおりしてしまうのに気がつきました。そして
そして馬車のうしろには、わかい王さまの家来けらいが立っていました。それは忠義者ちゅうぎもののハインリッヒでした。
忠義者ちゅうぎもののハインリッヒは、おふたりを馬車にのせてから、じぶんはまたうしろにのりました。そして、ご主人のたすかったことを、心のそこからよろこんでいました。
ところが、あの忠義者ちゅうぎもの家来けらいが、このようすをのこらず見ていたのです。
でもそれは、やっぱり、忠義者ちゅうぎもののハインリッヒの胸からとびちる胸輪むねわの音でした。それというのも、だいじなご主人しゅじんがたすかって、これからしあわせなまい日をおくられることになったからですよ。