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忠相
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たゞとも
我手取に
呼下し天下の
政事を
統しなば萬民のためならんとの
上意にて則ち大岡殿を江戸へ
召寄られける夫より越前守
早速はせ下り吉宗公の御前へ出けるにぞ則ち
忠相を
同じく
語るべからず然るに
享保の
初大岡越前守
忠相といふ人町奉行となつて
年久しく吉宗公に
勤仕しける此人あつぱれ
大丈夫にして其智萬人にすぐれ
遠き板倉の
輩に同じされば
奉行勤仕勤功同越前守よく/\上を
忠相段々
聞れける所
紀州殿方
甚非分なりとてあきらかに
取捌けり只今までの
奉行いかなれば
穩便にいたし置けるにや幸ひに越前守
相糺すべきなりとて
紀州の方まけと成て勢州山田方
理運甚だしかりき
爰において
年頃のうつぷんを