忍諦にんてい)” の例文
また、意志をも忍諦にんていをも、彼のうちで衝突し合ってたがいに同等の生存権をもってるあらゆる悪魔を、放散せざるを得なかった。
昔の孤独な忍諦にんていの魂を復活させようと固執した。しかしその魂はもはや存在していなかった。情熱がもたらす多くの廃墟はいきょこそ、情熱それ自身よりもずっと危険である。
無言の忍諦にんていのうちに潜み込んでばかりいる間に、彼は徐々に貧血してゆき、ある臆病おくびょうさに、口をきくことを恐れる気分に、いつしかとらわれていって、わずかな行動もますますなしがたくなり
多くの白髪が、九月の一夜に秋の花が牧場にえ出すごとく、黒い髪の中に突然現われていた。新たなしわほおに刻まれていた。けれども眼はふたたび平静を得ており、口は忍諦にんていの様子になっていた。
それで彼らはもうなんらの実行もなし得なくなって、自分たちの力をたずかつ自分たちに反対して起こってくる一つの運動を、ただ予告するばかりだった。ある人々はそこに忍諦にんていの喜びを見出した。