心悲うらがな)” の例文
枕に就くと、今日位身体も心も急がしかつた事がない様な気がして、それでも、何となく物足らぬ様な、心悲うらがなしい様な、恍乎うつとりとした疲心地で、すぐうと/\と眠つて了つた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
……けたたましく、可哀あわれに、心悲うらがなしい、とびにとらるると聞く果敢はかない蝉の声に、俊吉は肝を冷しつつ、※々ぱっぱっおもてを照らす狐火きつねびの御神燈に、幾たびか驚いて目をふさいだが、路も坂に沈むばかり。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今夜限り此生れ故郷を逃げ出すべき二人の娘にいう許りなき心悲うらがなしい感情を起させた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
自分は之を見て唯無性に心悲うらがなしくなつた。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
自分は之を見て唯無性に心悲うらがなしくなつた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)