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徹宵
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よっぴて
ふりがな文庫
“
徹宵
(
よっぴて
)” の例文
お銀は急いで医者へ連れて行ったが、その晩は
徹宵
(
よっぴて
)
母親が床のうえに坐って、冷えやすい病児の腹を、自分の体で温めていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
閽者
(
もんばん
)
は児を抱いた若い女の来たことを取りついだ。南は逢わなかった。南はその夜門の外で女と児の啼く声を
徹宵
(
よっぴて
)
聞いたが、
黎明
(
よあけ
)
比
(
ごろ
)
からぱったり聞えなくなった。
竇氏
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「会ったよ、会ったよ、紅葉に会って来たよ。徳太郎なかなか話せる。
頗
(
すこぶ
)
る快男子だ。
昨宵
(
ゆうべ
)
は
徹宵
(
よっぴて
)
話して、二時まで
大気焔
(
だいきえん
)
を挙げて来た。紅葉は君、実に
豪
(
えら
)
い。立派な男だ!」
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
二三の医師に
診
(
み
)
せましたが、みんなどこにも故障がないという診断です。それから夜もいけません。朝に眼が醒めたときは、
徹宵
(
よっぴて
)
放蕩でもしたように体がぐだぐだに疲れています。
誰?
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
その夜、
徹宵
(
よっぴて
)
フローラは、壁に頭をもたせ、うずくまるようにして座っていた。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
じっとりした往来には、荷車の
軋
(
きし
)
みが静かなあたりに響いていた。
徹宵
(
よっぴて
)
眠られなかったお島は、熱病患者のように
熱
(
ほて
)
った
頬
(
ほお
)
を快い暁の風に
吹
(
ふか
)
れながら、野良道を急いだ。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
しまいに
疲
(
くた
)
びれてしまった。
徹宵
(
よっぴて
)
そうしているわけにも行かなかった。
孤独
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
ほとんど
徹宵
(
よっぴて
)
付ききりで二人の看護婦を督励し、ひっきりなしの注射に酸素吸入、それにある部分は冷やし、ある部分は温めもしたり、寝食を忘れて九死に一生を得ようと努めるのだった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
徹
常用漢字
中学
部首:⼻
15画
宵
常用漢字
中学
部首:⼧
10画
“徹宵”で始まる語句
徹宵痛飲
徹宵護衛
徹宵酒肴