御逢おあ)” の例文
「那古井の嬢様にも二人の男がたたりました。一人は嬢様が京都へ修行に出て御出おいでの頃御逢おあいなさったので、一人はここの城下で随一の物持ちで御座んす」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
畢竟つまり貴方が其程苦しい目に御逢おあひなすつたから、それで瀬川君の為にもいて下さるといふものでせう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
梅子はわづかかしらもたげぬ「——篠田さん——私、貴所あなた御逢おあひ致しまする面目が無いので御座いますけれど——今晩容易ならぬことを、耳に致しましたものですから——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
やすさんには、御逢おあひなさらなかつたの」と御米およねいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
余はどうぞ御逢おあいの節はよろしくと挨拶あいさつした。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昨日きのうは山で源兵衛に御逢おあいでしたろう」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)