御直おじき)” の例文
皆まで謂わせず、「何だ御取次い、糞でもくらえ、華族様御直おじきの馬丁だわ。やい、門番扱いにしやあがる。死損いめ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
太閤たいこう時代からの家柄でね、先祖代々、異国と御直おじき商売というのをやっていたからなかなか金持よ、俸禄はたった七十俵五人扶持ぶちしきゃ貰っていねえけれど
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
但しソレについては母が病気だと申遣もうしつかわせと云う御直おじきの厳命がくだったから、もとよりいなむことは出来ず、ただかしこまりましたと答えて、母にもそのよしを話して、ソレカラ従兄が私に手紙を寄送よこして
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
御拝借の書冊返上 若殿御直おじきへ。と上包みに書いてある。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)