御癒おなお)” の例文
「その名刺の名前の人はまた来るそうですよ。いずれ御病気が御癒おなおりになったらまた伺いますからって、帰って行ったそうですから」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「もうこぶ御癒おなおりですか。」
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私がこうして書斎にすわっていると、来る人の多くが「もう御病気はすっかり御癒おなおりですか」と尋ねてくれる。私は何度も同じ質問を受けながら、何度も返答に躊躇ちゅうちょした。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それが二三人で持ち合ってなかなか捗取はかどらないような湿しめを帯びていた。やがて医者の声で、どうせ、そう急には御癒おなおりにはなりますまいからと云った言葉だけが判然はっきり聞えた。
変な音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)