御書ごしょ)” の例文
「いかに早足はやあしなお使番つかいばんでも、夕方からただいままでに、ここへ着くともうすのはふしぎなしだい。そして、御書ごしょ内容ないようは?」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中尊は手に五色の糸を持ち、左には普賢ふげんの画像、右には善導和尚と先帝の画像と並び、妙法蓮華経八巻と、善導和尚の手になる九巻の御書ごしょも置かれていた。
この御書ごしょをとりいそいで、甲州こうしゅう躑躅つつじさき大久保石見守おおくぼいわみのかみの手もとへまでとどけよ、とのおおせにござります。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ひかえろ、それはまだ信孝公のぶたかこう御書ごしょがつかぬまえじゃ。秀吉の独断かくまでと思わぬからじゃ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「秀頼公のその御書ごしょは、太閤さまの御影みえいと思えとて、大坂城のあるお方より、わざわざ下された物とて、粗末にもならず、かかげてはおきまするが……すでに太閤さまも亡き今日では」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西園寺公衡きんひらなどが、やッきとなって、亀山の御処分を、幕府へ迫ったので、亀山上皇もついに「……自分には全く関係のないことだ」と、弁解の御書ごしょを執権貞時へてて送り、なおかつ
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ひと筆、御書ごしょをおしるし賜わりますまいか」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)