御座候ござそうろう)” の例文
「雪の結晶の撮影に関する貴君の卓越せる技術を伝授被下くだされ、誠に感謝の至りに御座候ござそうろう」というのであった。
雪雑記 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
とりどりの噂ありたるこけ猿は、かくのごとく、まさに、たしかに、当柳生家にもどり申しそうろう。したがって当藩は、日光などお茶の子サイサイの大富豪に御座候ござそうろう
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
拝啓のぶれば、昨日はんどころなき差支えのためプラットホームまで御出迎え致すべきはずの処、その意を得ず、そのため極めて用なれたる男一名、差し向けたる次第に御座候ござそうろう
祈り遊ばされまた高田の御伯母おんおば様どこかの御宮へか御詣り遊ばすとのことに御座候ござそうろうふさ
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
桂小五郎にもそそのかされて三人、——その小五郎は、誰だと思っちょるんじゃ。木戸孝允こういん御座候ござそうろうの、参与さんよで侯のと、御新政をひとりでこしらえたような顔をしちょるじゃないか。
流行暗殺節 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
「ずいぶん骨が折れそうらえども、仕事はかなり細かきつもりに御座候ござそうろう。ちなみに見本の皿破片全部別送仕候つかまつりそうろうあいだ、なにとぞ新品とおくらべのうえ御満足をもって御嘉納下さるよう願上げ候。頓首。」
すべて差し押えたることに御座候ござそうろう
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
今宵こよいこそまこと上首尾に御座候ござそうろう。千葉のいなかよりたんまりとやまぶき色を