御叩頭おじぎ)” の例文
御叩頭おじぎをするばかりで、私などの横は、風を切って行くし、時に、一品を買って「この色は、化学染料でなく草木染で出すといいが」
大阪を歩く (新字新仮名) / 直木三十五(著)
人形がゆらりゆらり御叩頭おじぎをしたり、挙げた両手をぶらぶらさせながら、緩やかに廻転しながら下りて行くのは、ちょっと滑稽な感じのするものである。
雑記(Ⅱ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
式部(筆を持ったまま)「なにも、そう一々、鹿爪しかつめらしく御叩頭おじぎには及ばないよ。御殿で勤め中と違って、私宅で休暇中なのだから、まだ外に、したい事は何なりと思いつくままにするがよろしいよ」
或る秋の紫式部 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
猟師は、一寸立止まって、二人に道を譲って、御叩頭おじぎをした。玄白斎は、その首のない獣と、猟師の眼とに、不審を感じて
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
と、御叩頭おじぎをして、二人の前へ、茶を置くと、しとやかに出て行った。茶室好みの小部屋へは、もう夜が、隅々すみずみへ入っていて、沁々しみじみと冷たさがんだ。
大岡越前の独立 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
そして御叩頭おじぎをしてから、高座へ上った。人々が、一斉に、拍手した。一人が
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
旗本らしいのが、五六人、蒼い顔をして、御叩頭おじぎしながら走ってきた。
近藤勇と科学 (新字新仮名) / 直木三十五(著)