御伽話おとぎばなし)” の例文
一一五 御伽話おとぎばなしのことを昔々むかしむかしという。ヤマハハの話最も多くあり。ヤマハハは山姥やまうばのことなるべし。その一つ二つを次に記すべし。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
偽りも御伽話おとぎばなしの「舌切雀」「猿蟹合戦」「桃太郎」の如く、または白髪三千丈といふが如く、分りきつたる偽りは悪からず。
俳句の初歩 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
桃太郎と申せば、英国へ参ってから、当国で有名な御伽話おとぎばなし「アリス・イン・ウォンダーランド」というのを何かの機会に読んだことがあります。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
桃太郎と申せば、英国へ参ってから、当国で有名な御伽話おとぎばなし「アリス・イン・ウォンダーランド」というのを何かの機会に読んだことがあります。
法窓夜話:01 序 (新字新仮名) / 穂積重遠(著)
つまり、家庭の御伽話おとぎばなしに資せんとするの微意なり。読者、願わくはその意を了せられんことを。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
生児のなお嬰孩えいがいにして口も利けぬ時にもく眼に察し、意に迎えて、その欲するところを知り世話を焼く。少しくことばを解し自らも口が利けるようになれば、御伽話おとぎばなしでもして聴かせる。
現代の婦人に告ぐ (新字新仮名) / 大隈重信(著)
金鉱が発見されてからは、成金なりきんを夢見る山師たちが、鶴嘴つるはしをかついで、ほうほうたる髯面ひげづらを炎熱にさらして、野鼠の群のように通行したところで、今では御伽話おとぎばなしか、英雄譚えいゆうたんの古い舞台になっている。
火と氷のシャスタ山 (新字新仮名) / 小島烏水(著)