徒士町かちまち)” の例文
子にもせよ甥にもせよ、独美の血族たる京水は宗家をぐことが出来ないで、自立して町医まちいになり、下谷したや徒士町かちまち門戸もんこを張った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
へい/\貴方あなた誰方様どなたさまで……。主「わしアお徒士町かちまちつた、河内屋金兵衛かはちやきんべゑでげすよ。 ...
徒士町かちまちの四つ辻あたり、幾つもの提灯ちょうちんを棒鼻にブラ下げて
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
徒士町かちまちの池田の家で、当主瑞長ずいちょうが父京水の例にならって、春のはじめ発会式ほっかいしきということをした。京水は毎年まいねんこれを催して、門人をつどえたのであった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかし既に京水けいすいの墓が同じ寺にあったとすると、徒士町かちまちの池田氏の人々の墓もこの寺にあっただろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)