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往昔
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おうせき
ふりがな文庫
“
往昔
(
おうせき
)” の例文
この辺は古い戦場の跡ででもあって、
往昔
(
おうせき
)
海の口の城主が甲州の武士と戦って、戦死したと言伝えられる場所もある。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
此孔雀の舌の料理は
往昔
(
おうせき
)
羅馬
(
ローマ
)
全盛の
砌
(
みぎ
)
り、一時非常に流行致し
候
(
そろ
)
ものにて、
豪奢
(
ごうしゃ
)
風流の極度と平生よりひそかに
食指
(
しょくし
)
を動かし
居候
(
おりそろ
)
次第
御諒察
(
ごりょうさつ
)
可被下候
(
くださるべくそろ
)
。……
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
余ノ調査研究セルトコロニ
依
(
よ
)
レバ、既ニ
往昔
(
おうせき
)
ヨリコノ種ノ犯罪ガ行ワレツツアリシ事実ヲ認ムルヲ得ベシ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
往昔
(
おうせき
)
福建省福州府、
浦田
(
ほだ
)
県九連山山中に、少林寺と称する大寺あり。堂塔
伽藍
(
がらん
)
樹間に聳え、人をして崇敬せしむるものあり。
達尊爺々
(
たつそんやや
)
の創建せるも技一千数百年の星霜を経。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そう思って、鶴見は
往昔
(
おうせき
)
を追想してなつかしがっている。その姉ももうとうに亡くなった。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
▼ もっと見る
石黒氏ノ近業ハソノ名ノ示スガ如ク
往昔
(
おうせき
)
郷閭
(
きょうりょ
)
ノ私塾ナリシ有隣舎ノ沿革ヲ調査シソレガ師弟ノ伝ヲ述ベタルモノニシテコレスナハチ拙稿『下谷叢話』ノ記述スル所トホボソノ事ヲ同ジクスルモノ
也
(
なり
)
。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
刑事裁判がその源を復讐に発していることは争うべからざる事実であるが、その最も著明な証跡とも見るべきは、刑事訴訟の起訴者が現今は国家であるが、
往昔
(
おうせき
)
にあっては私人であったことである。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
“往昔”の意味
《名詞・形容動詞》
往昔(おうせき、おうじゃく)
昔。往事。往古。いにしえ。
(出典:Wiktionary)
往
常用漢字
小5
部首:⼻
8画
昔
常用漢字
小3
部首:⽇
8画
“往昔”で始まる語句
往昔入貢
往昔衆道
往昔馴染