“彼児(あれ)” の例文
旧字:彼兒
「そうですか。彼児(あれ)がやったのですか。これは私が貰って置きたい。私は実は子(ね)の歳なので、鼠には縁がある。これは譲ってもらいましょう」
ここへ倅が帰って来ると不可(いけ)ませんから……。彼児(あれ)は正直者ですから、他(ひと)から嫌疑(うたがい)を受けて家捜(やさが)しをされたなどと聞くと、必然(きっと)憤(おこ)るに相違ありませんから……。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すると、坊様は、折角、幸吉が丹念に拵えたものを只(ただ)で貰うは気の毒、これを彼児(あれ)へお小遣いにやって下さいと一分銀(いちぶぎん)を包んで師匠へ渡しました。