すがた)” の例文
米友が身体を固くして、固唾かたずを呑んで、その上に業をにやして待っているのは、今、市五郎がお嬢様と呼び、お女中さんと呼んだその人のすがたをよく見たいからであります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
武男が憤然席をけ立てて去りしかの日、母はこの子の後ろすがたをにらみつつ叫びぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)