彫物師ほりものし)” の例文
「この切出しは手前のだらう。版木屋か、彫物師ほりものしでも無ければ使はない道具だ。とうを卷いて、端つこに(新)といふ字が書いてある」
心持こゝろもちばかりの追善供養ついぜんくようを致しやして、良人に命があらば、何卒どうぞ帰って親子四人よったり顔が合わしていと、無理な願掛がんがけをして居りやんした、此の観音さまは上手じょうず彫物師ほりものしが国へ来た時
先生が世界に又とない彫物師ほりものしで、人の体を彫る人だということは、お前も知っているだろう。そこで相談があるのだ。一寸ちょっと裸になって見せてはもらわれまいかと云っているのだ。どうだろう。
花子 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
身扮みなりから、身體の樣子、鑿胝のみぞこの具合を見ると、居職の——それも多分彫物師ほりものしと言ふところだらう——見知人がある筈だ、其邊で當つて見な」
「これも主人徳右衞門の古い知合で、紋三郎といふ腕のいゝ彫物師ほりものし、母親は徳右衞門の從妹いとこで、お町と言つたさうです」
身扮みなりから、身体の様子、鑿胝のみだこの具合を見ると、居職いじょくの——それもたぶん彫物師ほりものしというところだろう——見知り人があるはずだ、その辺で当ってみな」
得物は彫物師ほりものしの使う鋭い鑿、焼印はガラッ八が言う通り、得物が深々と入ったせいか、大した出血ではありませんが、それでもその辺は一面の血飛沫ちしぶきです。
とざした木戸を開けさして、眞晝乍らなんとなく薄暗い小屋の中へ入ると、彫物師ほりものしの雲龍齋又六は中二階の揚幕の蔭、丁度、普賢菩薩を見張るやうな位置に、仰向になつてこと切れて居るのでした。
第二番目は、お關の許婚で、雪五郎といふ彫物師ほりものし