たらず)” の例文
その坪は一千たらずで、安く見積っても木ぐるみ一万円が一円でも切れると云うことはなかろうと云うのであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
持っていった金も半分たらずあまして、帰って来てから、この春の時に用意したお島の婚礼着の紋附や帯がまた箪笥たんすから取出されたり、足りない物が買足されたりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
北海道の製造場にも二年たらずもいて、職人と一緒に起臥おきふしして来たりした主人は、お島より十近とおぢかくも年上であったが、家附の娘であった病身がちのその妻と死別れたのは
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)