もてあそば)” の例文
怪我けがをした我が児でも見まもるように、手から手へ、渡されて、冷侮の眼にもてあそばれてゆく愛刀の方を眺めた儘、茫然としていたが、突然側にいた環が、何かさけんで
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何でも、もう少しさつき上の茶屋の爺がそれを発見したらしく、大岩のこちらに紐でしつかりとくゝつたまゝ、その二つの死屍がたぷたぷと波にもてあそばれてゐたといふことであつた。
磯清水 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)