くわく)” の例文
無駄を言ふうちに、兩國の橋詰、大弓場の裏の一くわくの料理屋のうち、一番構への大きい『種村たねむら』の入口に着きました。
平賀源内がじゆくを開き、千葉周作が道場を建てたところで、神田には、珍らしい異色の一くわくですが、その癖、近所にはつみ綿の師匠や、取締の網の目をもぐつた曖昧あいまいな出合茶屋などがあり
雜司ヶ谷鬼子母神に至る一くわくに百姓風乍ら高々と生垣をめぐらし、藁屋根わらやねひさしを反らした構へ、これに玄關を取付け、長押なげしを打つたら、そのまゝ大名のお下屋敷と言つても恥しくないでせう。
元町の一くわくを占領した、宏大な横山主計かずへの屋敷。平次とガラツ八は、用人石川孫三郎に案内されて、裏門からお勝手へ廻り、奉公人達の好奇の眼に迎へられて、奧の主人主計の部屋に通されました。