廓然かくぜん)” の例文
無欲にして明鏡の如くに澄み切った心——悪魔以上に廓然かくぜん冷々たる態度を以てこれに対すれば
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その日は、廓然かくぜんと晴れた初夏の一日だった。もう夏らしく、白い層雲が、むく/\と空の一角にいていた。水色の空には、強い光が、一杯にち渡って、生々の気が、空にも地にもあふれていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
〔譯〕刀槊たうさくきよ心をいだく者はくじけ、勇氣ゆうきたのむ者はやぶる。必や勇怯ゆうきよを一せいほろぼし、勝負しようぶを一どうわすれ、之をうごかすに天を以てして、廓然かくぜん太公たいこうに、之をしづむるに地を以てして、もの來つて順應じゆんおうせん。