“廂（ひ）” の例文

ちょうどここは、大蓮華の側壁百貫山と、三名引、毛勝の裾山とが、すれすれに額を突き合せた、その狭い廂（ひ）合わいに当るのだ。

ある偃松の独白 (新字新仮名) ／ 中村清太郎(著)

その廂（ひ）あわいの、おんどりと暗い闇の中にしゃがんでいるのが、顎十郎とひょろ松。

顎十郎捕物帳：14 蕃拉布 (新字新仮名) ／ 久生十蘭(著)

廂（ひ）あわいの近くまで来て

顎十郎捕物帳：14 蕃拉布 (新字新仮名) ／ 久生十蘭(著)

“廂（庇）”の解説

庇（廂、ひさし）は、家屋の開口部（窓、出入口）の上に取り付けられる日除けや雨除け用の小型の屋根のこと。日本建築では、主にろく庇（陸庇、ろくひさし）と腕木庇（うでぎひさし）の2つが造られている。「家の作りやうは、夏をもってむねとすべし」と吉田兼好が『徒然草』に記しているように、かつては高温多湿の夏を凌ぐために、柱構造の開放的な空間を作り出し風通しを良く、深い軒で日差しを遮り、風向きや日照を調整していた。寝殿造りでは、母屋の外側に付加された細長い下屋部分を指し、廂の間として居室などにも使われた。
(出典:Wikipedia)

廂	漢検1級 部首:⼴ 12画