平野ひらの)” の例文
北野を過ぐれば大将軍、それを過ぐれば小北山、それを過ぐれば平野ひらのとなる、それを過ぐれば衣笠山! そっちへドンドン走って行く。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、そのとき、羽柴はしば荒旗本あらはたもと脇坂甚内わきざかじんない平野ひらの三十郎、加藤虎之助かとうとらのすけの三人、バラバラと幕屋まくやすそにあらわれて一大事を報告した。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それをおはなしするまえに、まず、平野ひらの少年を、ごしょうかいしなければなりません。
宇宙怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
偶然大阪の平野ひらの町の夜店の古道具屋で、初めてガラス絵というものを買って見たのでした、それまでは散髪屋とか風呂ふろ屋ではよく見かけたものですが、別段欲しいとは思わなかったが
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
後隊は真田幸村、毛利勝永兵一万二千。五月朔日ついたち、前隊は出でて平野ひらのに舎営した。
大阪夏之陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
見渡せば前は平野ひらのである。り残された大木が彼処此処かしここゝ衝立つゝたつて居る。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
平野ひらの三十郎ひとりだけが立ってゆく。と、脇坂甚内わきざかじんないすぐに小膝こひざをゆるがして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)