常店じょうみせ)” の例文
過年いつか、水天宮様の縁日の晩でしたっけ、大通おおどおりのごッた返す処をちっとばかり横町へ遠のいて明治座へこうという麺麭屋パンやの物置の前に、常店じょうみせで今でも出ていまさ
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
荒布あらめとも見える襤褸頭巾ぼろずきんくるまって、死んだとも言わず、生きたとも言わず、黙って溝のふちに凍り着く見窄みすぼらしげな可哀あわれなのもあれば、常店じょうみせらしく張出した三方へ、絹二子きぬふたこの赤大名
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)