帆檣マスト)” の例文
「昨日ノ朝、妙ナ船ニ会イマシタ、三本帆檣マストノ二千トンバカリノ奴デス。船内ニハ誰モ居ナイ様子デ……何処どこ彼処かしこモ血ダラケデシタ」
流血船西へ行く (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
太平洋のまん中に亡霊の如く漂っている三本帆檣マストの船、その中には全く人の姿無く、しかも船内は到るところ生々しい鮮血にまみれていると……無気味な、血腥ちなまぐさい話なのである。
流血船西へ行く (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
北緯二十度三分の海上において、三本帆檣マストの一漂流船あるを発見せり、ってただちに船員を派して検分せしに、船内には全く人影無く、船室、甲板、歩廊等、ことごとく鮮血にまみれ居れり
流血船西へ行く (新字新仮名) / 山本周五郎(著)