布川ふかわ)” の例文
さて、私は子供のころから体が弱かったので、茨城県の北相馬郡布川ふかわ町に行って医者をしていた長兄のかなえの許に預けられることになった。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
布川ふかわから布佐ふっさへ、それから中峠なかびょうから我孫子あびこへ出て行く竜次郎の見込みで有ったので、市崎から、椎塚下しいづかした、畑や田の間の抜路々々と急いだので有った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
今からもう六十何年も前に、私はこの下流の布川ふかわという町に住んで、毎度この地名の起源について人が評定するのを聴いていたことがある。
水海道古称 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
下総の布川ふかわへ行ったのは明治二十年秋の初め、私の十三歳の時のことであった。それから約二年の間、私にとっては一日一日が珍しいことばかりに思われた。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
布川ふかわという町にしばらく住んでいたが、その頃がちょうど鳩麦煎餅はとむぎせんべいという、紙の筒に入った丸い煎餅の、人気に投じて盛んに売りひろめられた時で、その製造元はここから五、六里の
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
私は十三歳で茨城県布川ふかわの長兄の許に身を寄せた。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)