巴屋ともゑや)” の例文
それに、義弟の菊次郎を始め、巴屋ともゑや七平、江崎屋清五郎などは、滅茶滅茶におだててつかはせて、そのかすりを取ることばかり考へて居るんだ
改むるに巴屋ともゑや儀左衞門樣と云書状二三通外に買物樣かひものやう手控小帳てひかへこちやうあり依て小松屋より駿府町奉行桑山下野守殿へ訴へければ支配内しはいうちなるにより先江尻えじり宿の巴屋儀左衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『晩には巴屋ともゑやへでも行かうか。日本酒がもう来て居るかも知れないね。』
午後 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
野幇間のだいこを家業のやうにして居る巴屋ともゑや七平は、血のやうな赤酒を注がせて、少し光澤つやのよくなつたひたひを、ピタピタと叩くのです。
お粂は聞私しは江尻宿の絹商人きぬあきうどにて巴屋ともゑや儀左衞門が女房粂と申者此方樣故に夫儀左衞門は無實むじつ災難さいなん大門番おほもんばんの重五郎をころしたとて今は入牢じゆらうくるしみ夫も誰故此方樣が小松屋のかゝへ遊女いうぢよ白妙しろたへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「でも嬉しいことが一つあるよ。巴屋ともゑやの重三郎は勘當がりて、いよ/\和泉屋のお照と祝言することになつたとさ、めでたし/\ぢやないか」
「俺は吉原へ行つてくる、——變な顏をするな、遊びに行くんぢやねえ、巴屋ともゑやといふ藝者屋と、編笠茶屋の裏の當り屋といふ料理屋を探るんだ」
何千兩となく取込んだ義弟おとうとの菊次郎も、巴屋ともゑやの七平も、江崎屋の清五郎も、私の顏を見て、近頃はもう昔のやうにお世辭笑ひをしなくなつたばかりでなく、わざと私に聞えるやうに
「すると、お秀を殺す氣になるのは、いゝ歳をしてゐる癖に、お秀を何んとかしようと思つてゐる巴屋ともゑやの五助と、お秀にひどく彈かれた菊次郎と、この二人のうちといふことになりはしませんか」
巴屋ともゑやのお六よ、忘れたぢや濟まないでせう。家は、大變な騷ぎ」
平次は先づ吉原の巴屋ともゑやへ行つて訊きましたが、女將おかみ
お孃さんは、巴屋ともゑやの一人娘でせう。