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差閊
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さしつかえ
ふりがな文庫
“
差閊
(
さしつかえ
)” の例文
この
他
(
た
)
の人達には何処で会おうと、後をつけられようと、一向に
差閊
(
さしつかえ
)
はない。謹厳な人達からは年少の頃から見限られた身である。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
即ち私が断然として養子に行きさえせねばよかったのです。つまり私の意志が薄弱であったことが、今こうした悲運を
齎
(
もたら
)
したといって
差閊
(
さしつかえ
)
ありません。
猫と村正
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
未亡人と同棲しているために重吉は
差閊
(
さしつかえ
)
なく学校を卒業したのみならず、その後職を失っても平気で遊んでいることが出来た。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私はこれも習慣の相違として軽い興味を持ってこれを見ている。舞台で裸体を見せる事も、西洋文化の模倣とも感化とも見て
差閊
(
さしつかえ
)
はないであろう。
裸体談義
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
学年試験の時、生徒は答案を書いて居る間随時に教室の外へ出て休息しても
差閊
(
さしつかえ
)
がない事になって居ました。
亜米利加の思出
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
西洋人の教を待たなくとも日本人だけで
差閊
(
さしつかえ
)
はないというようになったのだ。日本人のこの得意と慢心とが四十年の
後
(
のち
)
今日の失敗を招いたのではあるまいか。
仮寐の夢
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もし芸術上これを非とするならばその罪は大衆小説家の負うべき所だといっても
差閊
(
さしつかえ
)
はないであろう。
裸体談義
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「そろそろ出掛けよう。
差閊
(
さしつかえ
)
がなければ番地だけでも教えて置いてもらおうかね。」
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
般若
(
はんにゃ
)
はヒステリーの女、おかめは普通一般の女の顔で、日本人男女の面貌はことごとくこの四種類の中に含められて、例外のものはほとんどないと云っても
差閊
(
さしつかえ
)
はないというのである。
仮寐の夢
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それに加えて、その夜お千代は杉村を金のあるお客と見て、少しまとまった金の無心をしようという
下心
(
したごころ
)
から、その歓心を得るためには何事を忍んでも
差閊
(
さしつかえ
)
はないという心になっていた。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
閊
漢検1級
部首:⾨
11画
“差”で始まる語句
差支
差
差覗
差向
差出
差俯向
差別
差当
差配
差置