“差逼”の読み方と例文
読み方割合
さしせま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今日は君とゆつくり落ちついて話したいと思つてゐたのだが、急に差逼さしせまつた用事が起きたので、これから出掛けなくつちやならん。
恐れと悲しみとにわなわなとふるえているのは、今下げたかしら元結もとゆいの端の真中に小波さざなみを打っているのにも明らかであり、そして訴願の筋の差逼さしせまった情に燃えていることと見える。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
何故というに、貧に安んずれば必ずや死に臨む前において既に早く幸福と希望と勇気とを得て、極端の場合に差逼さしせまるに至らずに済むであろう。貧乏を嫌がり嫌がりて日を送るから愈々いよいよ貧乏になる。
貧富幸不幸 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)