嶮所けんしょ)” の例文
しかし、かれには二千の野武士のぶしがあり、幾百の猛者もさ、幾十人の智者ちしゃ軍師ぐんしもいることじゃ。なかなか七十人や八十人の小勢こぜいでおしよせたところで、たやすく嶮所けんしょくるわは落ちまいと思う
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて蔦之助つたのすけどの、そこもとは残る十七名の兵をもって、一隊の弓組ゆみぐみをつくり、殿堂をかこい嶮所けんしょに登ってくるわのなかへ矢をこみ、ときにおうじ、変にのぞんで、奇兵きへいとなって討ちこまれい!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)