岡目八目おかめはちもく)” の例文
岡目八目おかめはちもくで言いたいままの放語と思えど、久しく本邦に在留せし英人が、木戸、後藤諸氏草創の難に思い比べて、禁ぜんとして禁じ得ざる激語と見えたり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
「だって岡目八目おかめはちもくって云うじゃありませんか。はたにいるあなたには、あたしより余計公平に分るはずだわ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
北方軍を某地においてかなかったか、なにゆえに彼は某所の包囲ほういの時に、かくかくの作戦をしなかったかと、岡目八目おかめはちもくや、あとから出る下司知恵げすちえを振りまわして
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
従ってまた野菜も作れない、それだけに野菜の善悪を見る目は自他の別を超越ちょうえつする、公平の態度をとることが出来る、——つまり日本のことわざを使えば岡目八目おかめはちもくになるわけですね。
不思議な島 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
出来やすきを取るが故に捨てるも捨てられるも皆その時の運とあきらめるは年来僕の取り来りし道にぞありける。岡目八目おかめはちもくこれを見てしきり襤褸買ぼろかいといひしも一理なきにあらざるべし。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
独活うど酢煮すに 春 第八十 岡目八目おかめはちもく
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
第八十 岡目八目おかめはちもく
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)