山砦さんさい)” の例文
「箱根の山砦さんさいを手下に渡して江戸へ足を入れたというのも、江戸の様子が見たかったからだ。……ところで今俺は江戸にいる。が、別に嬉しくもない」
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
手下を叱りつけて闇右衛門は山砦さんさいへ。
だだら団兵衛 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「そうして置いてこのそれがしを、彼らの籠る山砦さんさいへ連れて行こうとしているのじゃ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
御嶽の山砦さんさいに立ち帰りなば人質に引かれて伊那の一族、冠者の旗下みかたとなるは必定ひつじょう、それに冠者もまた伊那家も、木曽に対しては深讐あり、二党揃って押し寄せなば、木曽の没落は眼前にありと
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
へつらい武士の洞院左膳を総大将にして向かわせたはいいが、先月初めの合戦で鳥居峠は敵に奪われ、士気の沮喪そそうしたそのおりから、御嶽冠者みたけかじゃの軍勢が山砦さんさいから驀地まっしぐらに下だって来て、上中沢、下中沢
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)