小芋こいも)” の例文
小芋こいもの煮たのを、おはしに四つばかり突き通して、右の手に持っていた。おもちゃにしながら、一つずつ食べようというのであろう。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
実際禅寺ぜんでらぼんさんなどいふものは、お客を小芋こいも煮転にころばし位にしか思つてゐないものなので、それをよく知つてゐる橘仙氏は急に逃げ腰になつた。
小芋こいもの味ひとつにしたって、人の力ではどうにもできないのでありますから、持ち味を生かすということは、とりもなおさず、生きたよい材料を扱うということになるのであります。
日本料理の基礎観念 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
小芋こいも椎茸しいたけはすの根などのうま煮の付け合わせも客の膳に上った。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)