小半丁こはんちょう)” の例文
しかし、それで金吾が相手を逆地にとすわけにはゆきませんでした。その時、一そうの舟が小半丁こはんちょう程あなたの磯岩の間へドンと着いて
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
向島の言問ことといの手前を堤下どてしたりて、うし御前ごぜんの鳥居前を小半丁こはんちょうも行くと左手に少し引込んで黄蘗おうばくの禅寺がある。
と見ると、その番小屋の小半丁こはんちょう手前、鉄道線路の土手のすぐそば一際ひときわ深い叢の中から、三本の、あるいは黒く或は白い牛蒡ごぼうの様なものが生えて、それがピンピン動いていた。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)