寿陵余子じゆりようよし)” の例文
何ぞかん、俗に混じて、しかもみづから俗ならざるには。まがきに菊有り。ことげん無し。南山なんざんきたれば常に悠々。寿陵余子じゆりようよし文を陋屋ろうをくに売る。
寿陵余子じゆりようよし雑誌「人間にんげん」の為に、骨董羹こつとうかんを書く事既に三回。東西古今ここんの雑書を引いて、衒学げんがくの気焔を挙ぐる事、あたかもマクベス曲中の妖婆えうばなべに類せんとす。
僕はこの本を手にしたまま、ふといつかペン・ネエムに用ひた「寿陵余子じゆりようよし」と云ふ言葉を思ひ出した。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
詩の佳否かひは暫く云はず、明治二十六年の昔、既に文壇ドストエフスキイを云々するものありしを思へば、この数首の詩に対して破顔一番するを禁じ難きもの、何ぞ独り寿陵余子じゆりようよしのみならん。