対合むかひあ)” の例文
旧字:對合
静子の前の「ただ有明」の札に、対合むかひあつた昌作の手と静子の手と、殆んど同時に落ちた。此方こつちが先だ、いや、此方が早いと、他の者まで面白づくで騒ぐ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
町の中央なかほどの、四隣あたり不相応にいかめしく土塀をめぐらした酒造屋さかや対合むかひあつて、大きい茅葺のうちに村役場の表札が出てゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その祠の階段だんに腰を掛けると、此処よりは少許すこし低目の、同じ形の西山に真面まとも対合むかひあつた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)