宿借やどかり)” の例文
見慣れぬ殼をかぶつたちつぽけな宿借やどかりが三つ四つ私の足許近く迄やつて來たが、人の氣配を感じて立止り、一寸樣子を窺つてから、慌てて又逃げて行つた。
「わしか。……わしは近年、洛中では吉田の神護院に宿借やどかりいたしておるので、吉田のすね法師だの、吉田の兼好けんこうなどとよばれておるが、それでは、思い出されもなされまい」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蝦蛄しゃこ、幽霊蝦蛄、活烏賊、イカナゴ、擬餌、芋、味噌団子、烏賊の腸、赤虫、秋の魚のブツ切りなどであるが、鯛は自然に生活しているこのほかに榮螺さざえ宿借やどかり、蛤、浅利あさり、蟹、牡蠣かき、ウニ、ユウ
鯛釣り素人咄 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
見慣れぬ殻をかぶったちっぽけな宿借やどかりが三つ四つ私の足許近くまでやって来たが、人の気配を感じて立止り、ちょっと様子をうかがってから、慌ててまた逃げて行った。
宿借やどかり女御にょご