宰相さいしやう)” の例文
漢学の素読そどくの仕方がまた非常に可笑をかしかつた、文章軌範の韓退之かんたいし宰相さいしやうたてまつるの書を其時分我々は読んで居つたが、それを一種可笑をかしい、調子を附けずには何うしても読めぬので
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
二日の夜、よきほどのゑひごこちにて、年来としごろ大内住うちずみに、辺鄙ゐなかの人は三〇八はたうるさくまさん。三〇九かの御わたりにては、何の三一〇中将宰相さいしやうの君などいふに三一一添ひぶし給ふらん。
再度さいどまで山内に言ひ伏られ無念に思へども詮方なく暫時しばし思案ありけるが屹度天一坊の乘物に心付き心中しんちうに悦こび此度こそは閉口へいこうさせんと山内に打對ひ天一坊は將軍の公達きんだちならば官位は何程なるやと問ふに山内最初さいしよの官なれば宰相が當然なりと答ふ越前守又宰相さいしやうは東叡山の宮樣と何程の相違ありやとふに山内宮樣は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)