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孵
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か
ふりがな文庫
“
孵
(
か
)” の例文
何ものかが次第に
浸
(
し
)
み
込
(
こ
)
んでくるようにも思われ、また何ものかが生れ出ようとして悩んでいるようにも思われる。抱いた夢は
雛
(
ひな
)
を
孵
(
か
)
えさねばならない。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
鶯
(
うぐいす
)
は
時鳥
(
ほととぎす
)
の卵を育てゝ
孵
(
か
)
えすというが、その事は彼等の世界には、何等の悲劇も
齎
(
もた
)
らさないのだろうか。
黄鳥の嘆き:——二川家殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
朝起きて顔を洗いに出ると、春が
雛
(
ひよこ
)
の
孵
(
か
)
えたのを知らせた。石田は急いで顔を洗って台所へ出て見た。白い牝鶏の羽の間から、黄いろい雛の頭が
覘
(
のぞ
)
いているのである。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
箱の中には
孵
(
か
)
へされた小魚が蟲の樣にして泳いでゐた。
みなかみ紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
「今年は何台卵を
孵
(
か
)
えすんだね」
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
知らぬ
繼子
(
まゝこ
)
を
孵
(
か
)
へさせた。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
孵
(
か
)
えた
雛
(
ひよこ
)
は雌であった。至極丈夫で、見る見る大きくなる。大きくなるに連れて、羽の色が黒くなる。十日ばかりで全身真黒になってしまった。まるで
鴉
(
からす
)
の子のようである。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
孵
漢検1級
部首:⼦
14画
“孵”を含む語句
孵化
孵卵器
孵化場
一孵
孵化場長
孵卵