嫉妬深しつとぶか)” の例文
奥様はまた奥様で、彼様あゝいふ性質の女だから、人並勝れて嫉妬深しつとぶかいと来て居る。娘はもう悲いやら恐しいやらで、夜も碌々眠られないと言ふ。あきれたねえ、我輩もこの話を聞いた時は。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
嫉妬深しつとぶかい松本の暴論も、老実な浦和の主張でだ決議には至らぬさうだが、其れがの吾妻の奸策だとは何事だ、もつと彼奴あいついやな奴サ、先生の前でほヒヨコ/\頭ばかり下げて諂諛おべつかばかり並べて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
またその神のおきさきスセリ姫の命は、大變たいへん嫉妬深しつとぶかかたでございました。