婦女をんな)” の例文
婦女をんなの身としては他人よその見る眼も羞づかしけれど、何にも彼も貧がする不如意に是非のなく、今ま縫ふ猪之が綿入れも洗ひ曝した松坂縞
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
與之助が立身の機は一度うしなひて又の日の量り難きに、我れはいさゝかも優しく脆ろく通常なみ一とほりの婦女をんな氣を出だすべからず、年來馴れたる中のたがひに思ふ事も同じく
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
するとおきなさい、婦女をんな足駄あしだ穿きながらつてくれます。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
につたりとゆるやかに笑ひたまひ、婦女をんなのやうに軽く軟かな声小さく、それならば騒がずともよいこと、爲右衞門そなたがたゞ従順すなほに取り次さへすれば仔細は無うてあらうものを
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)