妻子眷族さいしけんぞく)” の例文
妻子眷族さいしけんぞくとその財産まで、自分の領内に置いてある者であれば、自分を裏切るようなことは、絶対にあり得ないと思ったからである。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
妻子眷族さいしけんぞくにも愛惜があってはいけない。自己の作物にも愛惜があってはいけない。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あの男の蔭に、泣いて帰りを待つ妻子眷族さいしけんぞくというものもあるのではないか。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
城内じょうない長屋ながやというのは、たちにつめている常備じょうびさむらい雑人ぞうにんたちの住居すまいで、重臣じゅうしんでも、一ちょう戦乱せんらんでもあって籠城ろうじょうとなるような場合ばあいには、城下の屋敷やしきからみな妻子眷族さいしけんぞくを引きあげてここに住まわせ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただし、これはいては申さぬこと、なおまた万死をして中山殿の御跡おんあとをお慕い申してみたい者は、そのようになさるがよい、国に残る妻子眷族さいしけんぞくのことが気にかかるものあらば、それもまたお心任せ
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)