妙音みょうおん)” の例文
僕はそれを見て種々想像をめぐらしている内に、ふとある事を想出した。天来の妙音みょうおんとでもいうか、実にすばらしい考えなんだよ。
黒手組 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
覚えずこうべを垂れた悟浄の耳に、美しい女性的な声——妙音みょうおんというか、梵音ぼんおんというか、海潮音かいちょうおんというか、——が響いてきた。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
わしの耳には、そのまま仏界ぶつかい妙音みょうおんともきこえたのじゃ。鐘をつくなら、あのようにつきたいものじゃのう。何も遠慮えんりょすることはない。みんなの心得にもなることじゃ。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
呂昇ろしょう大隈おおすみ加賀かが宝生ほうじょう哥沢うたざわ追分おいわけ磯節いそぶし雑多ざったなものが時々余等の耳に刹那せつな妙音みょうおんを伝える。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ってでる敵はなかったが、どこからともなく幽玄ゆうげん妙音みょうおんをまろばしてくる八雲琴やくもごとがあった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)